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タイタニア 第4話「リラの決心」 第5話「憧れと、誇りと」

2008.11.10 Monday 21:14
 この世をばわが世とぞ思ふタイタニア一族の、繁栄だか没落だかを描く「タイタニア」、その4話と5話です。
 ここまでの流れで僕が一番印象に残ったことは、おそらく他の視聴者のそれと同じでしょう。つまり、

「出番あれだけかよ、リディア!?」

 スタッフがなんとか頑張って出番をつくってあげようとしてるのはわかるんですが、なんつーかあまりにも義経の、“さしたる用もなかりせば”ではないかと。

 まず第4話。
 後の5話とも重なることですけど、担ぎ上げる人間と担ぎ上げられる人間との思惑が、見事にズレているのがなんともかんとも。
 「銀英伝」でのヤンも同じ立場だったんですが、歴史の転換点で、ある“役割”を演じなければならない、演じることを歴史から要請される個人というものがなぜか存在し、「∀ガンダムにおける君主論」で僕は、そういう個人を“天才”と呼んでたりもするんですが。
 ケルベロス会戦で“間違って”勝ってしまったファン・ヒューリック(別に提督の功績を評価しないわけじゃありませんが、端的な事実として、そういういい方のほうが適切でしょう)は、その間違いのおかげで“天才”の役割を押しつけられようとしており、カサビアンカ公国皇女たるミランダも、本人はタイタニアの支配体制にさほど不満もないってのに、国家再興を志す一部の連中によって、その立場上反抗勢力のリーダーに押し上げられています。
 まあ、あれですわ、どんな時代でも穏健派と呼ばれる勢力はおおむね現実主義的であり、急進派は観念主義的、理想主義的ってのは変わらん話ですね。ご本人たちが理想を掲げるのは構わないんですが、同じ理想を共有できない人間にまでそれを押しつけるのは、押しつけられる側にとっちゃ、迷惑以外の何物でもないという。でなくても、ヒューリックみたいな男は理想や信念なんかのためには、まず動かないやつですし。
 あの手の人物は、第一に自分の都合、第二に義理人情、第三に酔狂や好奇心で動くタイプで、それら以外の物事は基本的にはどうでもいいんで…ええ、管理人がジャストでそのタイプなんで断言できますよ。
 ただし、時と状況と本人の気分によっては、第三の酔狂、好奇心がトップにくる場合もあります。そこら辺りを刺激されることで、提督が今後、歴史の本流に関わるか否かが決定しそうではありますね。
 今までの描写ではミランダは現実主義者、リラは理想主義者ってな感じですけど、立場的にはリラと同じであるデ・ボーアは、リラよりは多少理想から距離をとってる感があります。ヒューリックを追放した件に関して、エウリアを馬鹿だった、あんなことをしなければ歴史に名を残したかもしれないのに、と語ったのは、公国再興やタイタニア打倒というレベルからではなく、歴史の中で個人や国家がどんな役割を果たすか、という観点からの言葉のように感じられますし。
 ヒューリック自身がどう考えていようと、すでに歴史は動き出しており、流れは変えられない、と。曖昧ないい方だったんでちょっとわかりにくいですが、これは理想を押しつける、というのとは微妙に違っていて、もうすでに無関係ではいられないのだから、いっそのこと歴史に名を残す道を選んでみたらどうか? あんたには役割が用意されているのだから、ということなんでしょう。
 ヤンとは異なり、ヒューリックは結構虚栄心強そうなんで、案外とこのデ・ボーアの言葉に動かされるなんてことも、あるかもしれません。
 とはいえ、同じヒューリック・タイプだからわかるんですが、僕はいわゆるところの有名人願望はない代わりに、歴史が大きく動く、その渦中の中心的位置に自分を置いてみたい、という願望なら小さくなく、そして、ヒューリックが自分の役割を受け入れ、それを演じる決心をする動機となるのも、そういった類の好奇心からなんじゃないかな、という気がします。歴史に名を残してやろう、とかいうような、ご立派な大志大望からは、“英雄”を買って出るなんて面倒臭そうなこと、やりそうにないよなあ。
 とにかく、提督が動き出さないと歴史は加速しないような状況に、すでになっちまってるようなので、あんまぐずぐず躊躇してないで、ひとつよろしくお願いいたしますよ、と無責任なこといいたい気分ではありますな。

 第5話。若妻、未亡人、喪服のセットで、自動的に欲情してしまう俺は人としてどうなのか。
 ま、喪服というのは悲劇と荘重と厳粛、それらを破る禁忌と後ろめたさという、エロティシズムをむやみにかき立てる要素を含むがゆえに、女性を美しく見せないわけにはいかない代物なわけで。黒を着てちょっとでも魅力的に見えない女性ってのは、僕はめったに知りません。特に、金髪は黒に映えるよなあ…とっとと本題に入れって?
 テュランジア大公国公妃ラティーシャ殿下は、親タイタニアだそうですが、大公が亡くなってから、時を置かずに近臣連中が反乱を起こしたってことは、既得権益を奪われた彼らがこの機を待っていた、ととるのが妥当なんでしょうね。
 お妃が庶出であったこと(なのに正妃になれるってことは、結構風通しのいい国なんすね)から考えるに、一般国民の感情としては、タイタニアの支配体制にはおおむね不満はなかった、と考えるべきなんでしょうか。まあ、古今東西反乱やらクーデターってのは、庶民の怒りや不満の爆発によって起こるというよりは、庶民よりもう少し上のほうにいる連中の、アジテーションによって起こる、といったほうが適切だったりもしますし。
 交渉は結局決裂…てか、そもそも交渉の余地自体がなかったっぽいですが、担ぎ上げられるべき妃殿下が自殺しちゃったんで、親タイタニア国であり、ヴァルダナ帝国の姻戚であるテュランジアが反乱を起こした、という事実でもって得られるはずの、他国からの軍事支援が難しくなるのは必定。
 ジュスランもクーデター鎮圧後は、この件をあくまで守旧派の謀略として処理するだろうし、テュランジアの存続や自治は、引きつづき保証する方向でとりまとめるんじゃないでしょうか。タイタニア、テュランジア双方にとって、想定される最悪の事態だけは避けられた、と。国のゆく末を思い自裁の道を選ばれた妃殿下は、まことに救国の英雄と呼ばれるべきです。合掌。
 とはいえ、ヒューリックが反タイタニアの旗頭として担ぎ上げられ、んで、実際にタイタニアの覇権…“パックス・タイタニア”に風穴を開け、宇宙に反抗の気運が高まっちゃったりしようものなら、せっかくのお妃の自己犠牲も、裏目に出てしまう可能性があるわけだよな。
 僕は別に覇権主義自体には否定的な立場でもなく、“平和(パックス)”…という言葉は意味が曖昧すぎるんで、“安全保障(セクリタス)”と限定したいい方をさせてもらいますが、それのために強力な軍事支配の実行が必要だってのは、端的に歴史の事実だったりもするので、タイタニア一族の皆様には、
「ご苦労様でございます」
 と、感謝の一言でも捧げたい所存ではあります。
 しかし、どんなシステムも経年劣化を免れないこと、盛者必衰は世の理であること、この理から逃れられた覇者なり国家なりは、人類史上ただの一例とて存在しないことを思えば、一族は今…正確にいうならケルベロスの戦いの敗北のときから、岐路に立たされているのではないかな、との気にもなります。たぶん、そこら辺りのことは、ジュスランとアジュマーン藩王は敏感に感じとっていそうですが。
 タイタニアへの憧れに殉じた大公妃、タイタニアの誇りに殉じた駐在武官のライザーとは裏腹に、当のタイタニアであるジュスランが懐疑の言葉を口にせざるを得ないのは、“宇宙の覇者”としての一族の繁栄は、もう限界にきつつある、との認識を抱いているからかも。テュランジアのような、タイタニアの覇権のもとに平和を維持していた国家が、これ以降の歴史の流れの中で迎えるかもしれない悲劇を思うとき、彼が憂鬱になるのは当然でしょう。
 ヒューリックとは違って、ジュスランの歴史上の役割は、正直かなり損なものとなるんじゃないでしょうか。ラティーシャが望んだように彼が次の藩王になったとして、そのとき彼がすべき務めとは、要は、
「タイタニアを生かすためにタイタニアを殺す」
 というものに、なりそうな気がしてならないんですが。





↑貴重な女性キャラがひとり散ったことに、哀惜の念に堪えない管理人によろしければ拍手でも。





タイタニア | comments(2) | trackbacks(5)

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2011.03.22 Tuesday 21:14
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コメント

こんばんわ。こちらの『二十面相の娘』の感想はいつも凄いなぁと思っていたのですが、このタイタニアの記事も読み応えありました。僕も真面目に書かないとと思いましたよ。

ヒューリック評は特に興味深いですね。たしかにそういう人物なのかも。今後、彼がどう動くのか見ものです。

妃殿下の死は、どうなんでしょうね。継承権が次の順位の人に移るだけで、彼女が死んでも仕方なかった気もしますが、あの国をめぐる国際情勢がどうなのかわからないので何とも言えないか。
| メルクマール | 2008/11/10 11:04 PM |
メルクマールさん。コメントいただきありがとうございます。
「二十面相の娘」の記事を楽しんでいただけたようで嬉しく思いますが、あれに関しては全話分の記事を書けなかったことで、どうにも残念な、申しわけない気持ちになってしまいます。
よろしければ、「タイタニア」のほうでもおつき合いください。

>継承権が次の順位の人に移るだけで

作中の描写からして、どうも大公妃には子供がいないようなので、たぶんまず継承者争いが起こるんじゃないかな、と。側近たちが親タイタニアであるはずの大公妃を担ぎ上げざるを得なかった、ってのはそういうことなんでしょう。
でなかったら、庶出のお妃より公子を担いでるでしょうし。まあ、そこら辺りはメルクマールさんがおっしゃるように、あの国をめぐる国際情勢や国内の事情がどういったものなのかわからないので、推測に留めるしかないんですが。

クーデターやってる最中でその当事者たちが、継承権を巡って分裂する、というのは、たぶんクーデター側にとって最悪に属する展開だと思います。それよりもなによりも大義名分がないですからね…お妃が自害した時点で、これはテュランジアという国家が戦争を仕掛けたんじゃなくて、軍と元老院の独走でしかなくなっているという。

クーデター鎮圧後のジュスランの処置としては、ヴァルダナの姻戚から適当な血筋の者を見つけてきて、テュランジアの大公に据える、といったところじゃないでしょうか。もちろん国内の反対勢力を一掃した上で。
反タイタニア派をこの機に処分できるので、タイタニアにとってプラスに転化できる事件であるという見方もできますね。
| memento | 2008/11/12 5:26 PM |

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