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RD 潜脳調査室 #10「至高の話し手」

2008.06.12 Thursday 21:39
 久島「ELIZAは自身のパターン照合を増設できる相手を見つけると、その人物とのみ会話をつづける傾向がある」

 ま、人間だって気があって会話が長つづきする相手ってのは、自分自身の一部をその人の中に認められる…ようするに“他人の気がしない”相手だしねえ。
 シャーマン的特殊能力と、“地球律”という環境との対話概念を持つ波留真理は、やはりどうもメタルから、人類との仲介役としてロック・オンされてるっぽいですね。

 前回の書記長との事後場面のせいで、一部女子視聴者から顰蹙を買ったとか買わなかったとかいわれてたりいわれてなかったりするソウタが、今回は初ダイブを試みてます。集中力には自信あるとかいったくせに、その舌の根も乾かないうちにあっさり浮上した挙げ句、ホロンから目をそらし心拍数上げながら、
「あんな技で集中力を途切らせてくるとは…」
 とかいいやがったやつの人気が、さらに下降線をたどったのではないかと人ごとながら心配になります…てか、サイテー。
 エライザ・ワイゼンバウムって名前からも明らかなんですが、このチャット用AIのモデルは、60年代にジョゼフ・ワイゼンバウム博士が開発した有名なプログラムでしょう。その名も「ELIZA」…って、そのまんまじゃん。
 どんなプログラムかっていうと、まあなんだ、
「あんた誰?」
 と谷啓さんが質問したら、
「あんたこそ誰よ?」
 と、質問で返すという、なんつーかこう、実際にこれやられたら激しくイライラしそうな、会話をシミュレートするプログラムです。ワイゼンバウム博士によれば、精神療法やってるセラピストの反応のパロディだそうで。
 精神療法ってのは“会話内容の知識を必要としない会話”という特徴があるそうなんですが、質問者の発した言葉の構文解析を行い、抜き取った言葉を定型文にはめ込んで、質問のかたちで返す、というこのプログラムは、質問者の入力する文章によっては、かなり複雑(に見える)返答をすることもあるし、そのまま結構長い間会話が継続する場合もあるということで、単なるジョーク気分でつくった博士の思惑に反して、ユーザーから“人間らしい反応だ”と評判を得たりもしました。
 ここまで読んでおわかりの通りに、この元祖ELIZAが示したことって、会話というのは別段内容なんぞなくても、相手の入力への自動的な出力だけで継続可能なものである…しかも、そんな自動的かつ内容希薄な対話でも、それなりに快適に感じられるものだ、っつーことですな。ELIZAの反応ってのはぶっちゃけ、“おうむ返し”なんですから、対話者の予想や期待の範囲外のそれが出てくるわけがなく、また極端に気に障るような反応として返ってくることもないという…そら、確かにそこそこ快適な会話になるかもなあ。
 …って、そういやこういう話思い出した。若い人はもうご存じないかもしれませんが、ハリウッドにかつて、ゲイリー・クーパーという銀幕のスターがいました。アメリカの良心といわれた、典型的クリーン・ヒーローの人気俳優で、「アンタッチャブル」で主役張ってた頃の、ケビン・コスナー辺りをイメージしていただければ近いかと。
 しかし、このクーパー氏、クリーンなイメージとは裏腹に大変なプレイボーイで、競演する女優という女優を片っ端からベッドに連れ込む名人だったんですな。彼を起用することの多かった映画監督のビリー・ワイルダーは、どうしてクーパーがそんなに女にモテたかについて、次のように語っています。
「彼は背は高かったが、特別ハンサムではなかった。それにモンタナの生まれだ(ようするに田舎者だという意味)。だが、希有な聞き上手だった」
 さらにはこんなふうにも。
「わたしは確信を持っていえるが、彼が女性の話を聞いているとき、その内容に注意を払っていたことはほとんどない。ただ、相手の女性からは決して視線を離さず、次の三句を実に適切なタイミングで会話中に差し挟むのだ。
“まさか”
“本当かい”
“そういう話初めて聞くよ”
 こんな調子で女に胸のうちを吐露させているうちに、知らず知らずに彼女らはクーパーとベッドをともにしている、という具合だ」
 偉大なるワイルダー監督を真似るわけじゃありませんが、僕も確信を持っていえます。自分を語るのが嫌いな女はいないと。そして、それを真剣な(ように見える)態度で聞いてくれる男に、悪感情を持つ女はいないと。たとえその話が無内容であっても。頭がよいこと、自分にはセンスがあることを自認している女ほど、この傾向は強いでしょう。
 多くの男はしばしば、女の話には内容がない、などと文句を垂れますが、そこは文句をいうべきところではないのです。内容があろうとなかろうと、とりあえず外見上だけでも真剣に聞く態度をとって、ミスター・クーパーの魔法の三句を唱えるべきなのです。モテない男(残念ながら俺含む)の最大の過ちとは、女の語る内容のない話に対して、
「君の話には内容がない」
 などと馬鹿正直にいってしまうか、口にしないまでも態度に表してしまうところにあるのでしょう。そういう男どもは、世の中には明るみにせずヴェールの下に隠しておいたほうがよい真実もあり、幻想とは壊されるために存在するのではないということを、学ばなくてはいけません。もちろん、女の無内容な話を聞かされるくらいなら、モテなくても一向に構わないっていう、あくまで真実の探究者たらん人もいるでしょうから、そこら辺は選択の自由ということになりますが。

 なんか話が全然「RD」に絡んでこないんですが、まあとにかく、会話っちゅーのは大事だってことですな。男と女のピロー・トークに発展する鍵になるかならないか程度には。
 んで、コンピュータが自我(らしきもの)を芽生えさせて“他者”との対話を求める、とかいうエピソードは、SFでは定番なんですが、割合この手のお話では、その動機は自我の誕生に伴うコンピュータの感情…ようするに寂しかったから、というのが普通な気がします。
 が、このRD版ELIZAは、人間的な感情や情緒の部分にはいまだ無知なまま、純粋に知的好奇心から、人間との対話に関心を抱いたというのがちょっとユニークかな、と。
 しかし、それについて真理と会話してる場面で、早々にミナモが登場してあっさりELIZAが“情”という、本人曰く具象性に欠いた人のつながりを理解し納得しちゃったのには、僕的にはなんか食い足りない気分でした。扱ってる内容が内容だけに、この作品は難解だとかって批判が多いみたいなんですけど、難解なのは最初からわかってることなんで、つくってる側がそこら辺で変にテーマ追求を手控えちゃうのは、どうなんでしょうか。
 後、なんかだんだんミナモの存在…というか、この作品での彼女の使われ方に、僕は疑問が出てきたな。なんちゅーか彼女って、論理性やら理屈やら無関係に威力を発揮する、万能かつ最強の必殺技、スーパーウェポンなんすけど、彼女が出てきたら超高性能なAIも納得して引き下がらざるを得ない、というのがどうもつまらんというか。正直、あんまりちょくちょくミナモを切り札にされたら、ああまたかよって感じかなあ…。絶対に負けない主人公にいくら活躍されても、見てる側は真剣にわくわくさせられないのと同様に、ミナモが象徴している“ゴースト”が、決して論理性に対する危機に陥らないとなれば、メタルとの対話や接触にスリルが出てこないのも致し方ないのではないかと。実際、今回のお話だって、ホロンやソウタの後にミナモが潜った時点で、結末が見えてた視聴者が大部分でしょうし。
 まあ、それとは別に僕は、情動という見えないつながりも大切だけど、それに頼りすぎるのもそれはそれでどうなんかね、と思ったりもしたんですが。日本的な文化は特に、古来から「腹芸」だの「目は口ほどにものをいう」だのいって、言葉を惜しむ傾向が強いし、日本人男性は言葉を使わなくても気持ちはわかってくれるだろ、察しろよ、みたいな期待を当然みたいに持ってるところがあるしなあ。
 言葉を使わなくても理解できるなんてのは、あらゆるコミュニケーションを尽くした関係を築いた上でやっと可能なことであって、誰でも彼でも期待できることじゃないんであって。つか、基本的なコミュニケーション・ツールとして言葉があるんだったら、それによる表現をサボるというのは、コミュニケーションをサボるというのと同義ではないかと。
 最近の僕は、
「空気を読め」
 という言葉を憎みつつあるんですが、これなんかそのいい方それ自体が、表現の拒絶だよなあ。こっちが読む前におまえがちゃんと表現しろよ、といいたくなりますが、KYKY乱発する怠け者に較べれば、ELIZAのほうが、よほど能動的な知性を持ってるんではないかなと思えます。最近はなんか年齢一桁の時分から外国語を子供に学ばせる親がいるそうですが、んなことよりまず国語教育だろ、と。いや、マジで今の日本は抜本的な国語教育の見直しが必要だと思いますよ。
 アニメの感想記事で国語教育を語るというのも、我ながらアレな気がしますが、みなさん、こんな記事読んでる暇があったら、ちゃんと国語を勉強しましょうね。





↑でもまあ、基礎的な読書の習慣が身についてりゃ日本の高校レベルの国語は勉強しなくてもいいと思うんですけどね…とか思ってたりする管理人に、よろしければ拍手など。





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