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二十面相の娘 第8話「人間タンク」

2008.06.09 Monday 23:29
 二十面相が大戦中に軍事機密に関わっていたことは以前のエピソードでほのめかされてましたが、人体兵器研究とはまた、鬼門中の鬼門に触れてたんだなあ。そら、ああいう一種なに考えてるかわからん、二面性のある性格なのも頷けるというもんですよ。
 その研究は実を結ぶことなく…というか、責任者自ら実を結ぶのを延ばし延ばしにして終戦へとこぎつけたわけですが、科学者の探求欲が、戦後にそれを掘り起こすこととなりました。

 森村誠一の「悪魔の飽食」で731部隊のことは有名になりましたが、あのノンフィクションはそのまま鵜呑みにするのはいささかまずい本なので、読む人はご注意を。つか、そもそもこの部隊の実態や研究に関する一次資料が少なくて、現時点では客観的な視点からどうこういえるもんではないっちゅーか。
 一応お断りしておきますけど、管理人は思想的にはノンポリです。なんで、日本軍の細菌戦研究の実在を否定するとか、戦時賠償はすでに済んでんだから、寝た犬を起こすような真似はするなとか、そういうスタンスは特に持ち合わせておりません。
 ただ、倫理的にはもちろんのこと、国際条約違反という点からも、BC兵器の研究がほめられたことじゃないのは確かだろうと思う一方で、戦時のモラルを平時のそれで裁けるのか? という疑問もあるこたあるかなあ…。被害各国と条約締結済ませて、米軍とも取引して、機関関係者一同責任不問とされてるから、法的にはすでにどうこういえるもんではないですし。
 僕個人としては純粋に歴史研究の観点から、また、日本は一度あの戦争の総括をきっちりやっておかないと、外交上面倒くさい問題を抱えつづける羽目になるのではという気持ちから、真相が明るみになるのは大いに結構だと思うんですけどね。
 ま、不明な部分が多い題材のほうが、想像をふくらます余地があってフィクションに用いるには適しているともいえます。前回感想で、あのロボがただの着ぐるみだってのは一応予想してましたが、1パーセントくらいはマジで、オーバーテクノロジーの産物だった、ってな展開を期待してなくもなかったり。なに、ドイツの科学力は世界一ぃぃぃっっっとかいってサイボーグ出てきたり、鉄人みたいのが出てきたり、漫画の世界じゃそれもじゅうぶんアリでしょう。
 今回は空根の馬鹿っぷりが、なんか好印象に見えてきてしまったのが我ながら悔しい回でした。棚ぼた式に実力不相応の名声を獲得していく彼を見て、このまま毒叔母に殺されるのは、若干惜しいような気がしなくもなかったりそうでもなかったりして。チコの探偵活動の隠れ蓑として利用価値ありそうだし、まだ退場してもらうわけにはいかんかなあ。なぜか殺されるのが決定事項みたいにいってますけど、船長やムタさんやハンスがばたばた死んでったこと考えたら、特別こいつの長生きを祈らなくちゃいかん理由は、僕にはないんで。でも、得てしてこういうやつに限って、しぶとく生き残るもんなんだよなあ。
 “二十面相の遺産”というのがなんなのか、現時点でははっきりとはわからないんですけど、大戦中にどうやら軍の秘密研究に携わっていたらしい彼が、その遺産を秘匿して姿をくらましたのは、第6話で虎に狙われたこと考えても、また、今回の香山望と津矢高志のやらかしちゃったこと見ても、それ以外に方法がないよなあと思えます。
 紛失美術品の回収やったり、戦後の災いになりそうなものをひそかに処分したりと、二十面相って、個人的に戦争の後始末をやってくれてる苦労人なおじさんな気がしてきたな。自分自身が戦争の暗部に関わった後ろめたさが、そういった行動の動機になってるのかもしれませんが、事情を知らない他人の目には、彼がなんらかの野望を抱いて、強大なパワーを独り占めしようとしていると映っても仕方ないかも。
 虎や香山なんかは二十面相のパワーに幻惑されて、結果自滅しちまいましたけど(香山は再登場の可能性もあると思いますが)、6話で戦後の世界を自分好みのパノラマに描き換えたい、そのためにはもうひとりの自分をつくり出す必要がある、っていってた二十面相の言葉って、彼が持つパワー、すなわち遺産を、それに幻惑されることなく正しく使える後継者を欲している、ってことでしょうか? 自分自身は戦争という闇に深く関わりすぎてしまったためにその仕事はふさわしくない、それをやってくれるのは闇を背負わない戦後の世代だ、というような。それで彼が選んだのがチコだった、と。
 明智なんかはこの辺りどう考えてんのかなあ。彼のことだから二十面相の本意も、鋭敏に察しているように思えますが、そのことと犯罪者を追跡することとはまた別の話だ、というふうに切り分けてるのかもしれません。
 731部隊のこともそうなんですけど、時代状況が混沌としている中での非倫理的行為ってもんは、しばしば混沌が去って、それなりに秩序が打ち立てられた後のモラルで判断しても、その正確な実情を捉えきれない場合があります。
 どうして駄目なんだ? と問われれば、今の平和な時代にそれをはかる基準がないからだ、と答えるしかないんですけど、国家が、いや世界中が発狂していたような状況下で、ある一国の狂気だけをとり上げて糾弾する…それも、狂っていたという点では同様の戦勝国が…というのも、不条理感を伴わずにはいられないわけで。上でもいいましたが、東京裁判で戦犯を裁いたアメリカは、731部隊の研究資料引き渡しを条件に、部隊関係者には免責をとりつけてます。それに、人体実験と原爆投下と、どっちがモラルに適っているか、どっちがより罪悪でどっちがよりマシか、なんてのを論じるのだって、それ自体が本来シュールな話ですし。
 ある意味じゃ戦争への言及ってのは、戦争の当事者、その時代の混沌を知る人たち以外にはできない側面もあるんですよね。しかし当事者であるからこそ、混沌の記憶から早く逃れたいと思うのも、人の情として無理からん話でしょう。二十面相はもしかしたら、戦後の多くの人々が忘れたがっている戦争の罪悪に対し、贖罪を行っているひとりなのかもしれません。で、多くの人が彼を悪党と呼び、憎むのも、人々が忘れたがっているものを彼が思い出させる存在だから、ということも考えられます。
 そういう憎まれ役をあえて買って出ているのだとしたら、彼の遺産を受け継ぎ、それを平和や秩序のために役立てる後継者には、その仕事の性質上、悪名がついていないクリーンな存在のほうがいいというのは当然でしょう。二十面相はチコに望みを託して、彼女が進むべき道を均し、舗装しているのでは? という気がしますな。
 てことは、生死不明ということになってる彼も、案外チコの近くで、彼女の行動を見守ってたりして。つか、前回ルビーをチコに見つかるように屋敷に置いてったんだから、おそらくそうなんだろうとは思いますが。
 あのルビーをチコに渡して、二十面相生存説を伝えた明智こそが、二十面相の変装ではないかというのは、多くの視聴者のする想像でしょうけど…うーん、僕的にはそれはない気がします。なにしろ声を演じてる人が違いますし。この手の作品でそういうことやったらアンフェアだと思うんですよね。
 もし明智=二十面相なら、ENDクレジットでの明智の配役表記は「?」にしとくべきじゃないかと…って、実際にそれやったらバレバレですけど。でも、ダブルキャスティングはルール違反だよなあ。

 ところで、前回感想でアニメ作品には子供がのさばりすぎだ、と不遜な発言をしてた僕ですが、そんな僕ですら、今回チコのお友達の女学生ふたりが離脱しちゃった(らしい)のには、徹底してんなあと、いささか呆れるような気持ちになりました。彼女らはチコのにぎやかしキャラとして、半レギュラーになるかと、てっきり思ったんだがなあ。
 まあ、代わりに小糸春華お嬢様がお仲間になったんでお釣りがくるんですけど、視聴者的には秋根なんぞが出張ってるよか、よっぽど女の子いっぱい出して華やかにしてくれよ、といいたいのを、しかし、つくり手はあくまで“量より質”で勝負するとばかりに、少女探偵団三人組に絞ってくるようです。ストイックというかなんというか。いや、ま、2クールって尺考えたら、萌えキャラ・インフレーション起こされんのは困りますけどね。
 でだ、その萌え三人組が揃いも揃ってショートヘアってのは、あの時代を反映してのことなんすかね? それともそれが原作者のツボなのか?
 そういや「菫画報」のスミレも…。





↑就寝直前に記事をUPした管理人に、お休みの拍手を。





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