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二十面相の娘 第6話「現世の夢」

2008.05.29 Thursday 19:44
 今名作劇場でやってる「ポルフィの長い旅」は、そのタイトル通りに主人公の少年ポルフィが、行方のわからなくなった妹ミーナを探しに長い旅に出るお話なんですが、実際に彼が旅立つのは、なんと17話になってから、旅立ちのきっかけとなる、大地震による両親の死が描かれるのも、まるまる1クール過ぎてからでした。
 4クールもの尺があるってことで、本筋に入るまでにじっくり準備したってところですが、2クール・アニメのこの「二十面相の娘」も、とうとう本筋へ突入したみたいです。

 まあ、ヒロインのいかにも幸薄そうな雰囲気とかOPの歌詞や映像とかからして、このまま仲間たちとの楽しい盗賊ライフがつづくとは思ってなかったんですが…こんな一挙にカタストロフが訪れるとはねえ。
 今んとこ生死不明なのは二十面相とケンですが、OPに成長したケンが出てくるから彼は生きてるとして、二十面相は…いや、ま、たぶん生きてるんだろうけど。
 しかし、ほかの部下たちは見事に全滅しちまいました。合掌。人生は儚いなあ。乱歩の好んだ、
「現世は夢、夜の夢こそまこと」
 という言葉に倣うなら、チコが獲得した新しい社会、新しい家族であった盗賊団は、いっとき彼女が身を寄せ、いっとき仲間たちと同じ夢を見た、かりそめの住まいでしかなかった、ってところでしょうか。そして、その夢から醒めるときがきた、と。
 ところで、前回盗み出した三賢者の時計は美術品というだけでなく、どうやらオカルト的なアイテムだったようですが、二十面相とトーラン市長との会話にあった、大戦中オカルト頼みをしてた軍といったら、やっぱナチス・ドイツの親衛隊(SS)下で大マジで地球空洞説やら錬金術やら研究してた、アーネンエルベ(ドイツ古代遺産協会。喫茶店の名前ではありません)が有名でしょう。つか、ナチス自体さかのぼると、新テンプル騎士団やリスト協会といったオカルト結社にいきつくんで、大戦末期に敗色濃厚な中、切羽詰まってオカルト頼みに走ったというより、最初からそういう傾向があったと考えたほうがいいんですが。
 二十面相は一応日本人(だよな?)なんで、もし過去に軍の機密に関わっていたとしたら、関東軍も似たようなことやってたか、でなきゃ情報部にでも所属していて、ナチスの内情に通じてたかしてたのかもしれません。以前の記事でナチスの美術品略奪について書きましたけど、だとしたら彼が、美術品の散逸先の情報を握っているのも頷けるところです。そういや部下にドイツ人がいたけど…いや、ハンスは元軍人って感じは全然しないしなあ。
 しかしなんだ、これより後、チコは仲間たちの夢のつづきのために、本格的に怪盗となるんでしょうが、こういう醒め方をしたんじゃ、これまで通りとは当然いかないように思います。家族を殺された“娘”としては、その心に暗い影を落としながら、犯罪の世界という夜の夢を生きるしかないのではないかな、と。
 江戸川乱歩へのリスペクトであるこの「二十面相の娘」の、“準備期間”であったここまでのエピソードで、僕が少々食い足りなく思ってたのは、やっぱ乱歩の探偵譚の特徴である、幻惑的で隠微で妖艶な雰囲気に欠けてたところですかね。全体がとても明るく健康的なカラーで、だから第1話見た時点じゃ、これはリスペクトじゃなくてパロディだと思ったくらいなんですが。
 で、その健康的なカラーは、盗賊団の仲間たちのおかげでしょうな。全員が過去にいろいろあったっぽいですが、少なくとも現在は陽気で暖かいとてもいい連中で。盗賊稼業という犯罪に手を染めていたとしても、そのことによる後ろめたさを背負っているようでも、彼らはありませんでした。ま、盗みという手段を用いてるとはいえ、実際やってることは美術品の強奪ってより回収なんだから、ことさら後ろめたさを覚える必要もないっちゃないんですけど。
 そんな中で唯一、影を背負っていたのが二十面相でしたが、盗賊団を組織し、世界中から美術品を盗み出していた彼の真の目的がなんなのかは、ずっと不明でした。けど、今回見たところ、どうやら単純に義憤に駆られてというより、もっと裏のあるものみたいですね。大戦後の世界を自分好みのパノラマに描き換える、といういい方からして、いささか倒錯した、誇大妄想的な願望や狂気が、その外見に反して潜んでいないとも限りません。
 おそらく二十面相が生きているのは十中八、九間違いないでしょうが、次に彼が現れるときにどんなかたちでチコと再会するのか、そのとき、二十ある彼の顔のうちのどの顔を見せるのか…ひょっとしたらそれは、チコにとってもっとも受け入れがたい、内面の素顔だったりするのかもしれません。





↑ついでにアンジーもたぶん生きてるんじゃないかな、とか思ってる管理人にどうぞ拍手でも。





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