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図書館戦争 状況〇三「小田原攻防戦」

2008.04.28 Monday 11:02
「君たちは公序良俗を謳って人を殺すのか!?」

 そして、表現の自由を謳って人を殺すようになりました、と。

 小田原資料館の蔵書防衛において戦力外通知を受けた郁。職務上のプライドからは落ち込んで当然だともいえるし、一方、僕が彼女の立場だったら、落ち込むどころか内心ほっとするんじゃないか、とか考えたり。
 規制をかける側…つまり、良化隊の連中だって、家族もいれば友人もいる、恋人だっているかもしれない生身の人間だしねえ。思想的な立場や事情が違っていたとしても、銃口を向けるべき相手と、もし違う出会い方をしていたら、案外と友人になれてたかもしれない…そういうことを考える力を、僕は書物からもらったと受けとっているんで、やっぱ、
「本のために人を殺せるか?」
 という問いには、なんとも答えようがないってのが正直なところです。
 逆にいうと、そういうことをなんにも考えないやつが、簡単に規制を叫べるんだろうな、と。“公序良俗に反する”出版物にだって、それを発行する人たちがいて、彼らは彼らなりの生活があり、考えるところがあり、食い扶持を稼がなくちゃいけないわけで。以前、とある知り合いのエロ漫画家さんが、規制に関する不満の意見をブログで表明したときに、行政に携わってるとか自称する人から、
「エロ漫画なんか描かずに別の漫画を描けばいいじゃない」
 という、パンがなければお菓子を食べれば的マリー・アントワネット発言コメントが寄せられたことがあったんですが。それを読んだ僕は、なるほど、規制を支持する人たちの想像力ってのはこんなもんなのか、と感じた次第です。
 戦闘場面の臨場感はなかなかでした。こういう緊迫した状況が日常化してたら、もうイデオロギー関係なく、前線で戦っている兵士たちにとっちゃ、仲間が殺されたから殺し返してやるみたいな、憎悪と報復のスパイラル(多くの紛争において泥沼化の最大要因)に陥ってもしょうがないだろう、という気持ちにさせるような。
 僕は絶対平和主義者ってわけじゃないですが、戦争起こさずにすむんだったら、それに越したことがないのはいうまでもないことであり、そして、武器を持って戦う状況をいくらかでも回避できるから、言論の持つ力は偉大なんだと信じてもいます。
 表現の自由は守られるべきか否か、なんて争いも、それが言論で行われているうちはまだマシというもんで、いったん殺し合いが始まれば、そんな大義名分はどうでもよくなり、動物的な憎悪に駆られるまま、人はただ殺すために殺すようになる…それが世界中で繰り返されてきた、また、今も繰り返されている現実だったりもします。
 そうであるからこそ、こういう設定で、こういう題材で語られるお話には、基本、能天気なラブコメだったとしても、避けるべきでない部分を避けないで描いてほしいな、と思うんですが、第3話まで見た時点じゃ…うーん…。
 別に多くを期待してるわけじゃないんですけどね。ぶっちゃけ、良化隊の連中の“顔”を見せてくれさえすりゃいいんすよ。郁たちが殺すべき相手の、生身の人間の部分を。その生身の人間を殺す生身の人間を描くのが、“戦争”を描く際の最低ラインってもんなんじゃないのかなあ。
 ノイタミナ枠だから、月9のドラマを見るような層にも、安心して見られる作品に仕上げようって方針なのかもしれないけど、少なくとも僕にとっては、今のところ、とてもじゃないが“安心して”見てられる内容じゃねーです。“本を守る”ということがどうやら主人公たちの戦う理由になっているらしくて、その理由のために敵の顔や事情は忖度されないって今の構造は、
「その“本”を“国”とか“イデオロギー”とか“正義”とかに置き換えたらどうよ?」
 みたいに、簡単に突っ込める類のもんではないかと。
 そういうことを突っ込んではいけない作品だとしたら、ただのプロパガンダ・アニメか、でなきゃ無難を目指しただけのアニメだよ、これ。


 追記
 上記の、
「エロ漫画なんか描かずに〜」
 の発言をマリー・アントワネットのそれになぞらえたのは、むろん、エロ漫画家の方たちがそれ以外の方法で食っていく手段がないとか、ましてやエロ表現がそれ以外の表現に劣るとか、そういう意味ではまったくありません。
 むしろ、
「エロ漫画家なんてみんな、嫌々仕方なくそんな漫画描いてんだろ」
 というような決めつけ、視野狭窄、想像力の欠如に対する、揶揄としての言葉だと受けとってください。





↑いろいろと脱力気味な管理人に、拍手をお願いいたします。





図書館戦争 | comments(4) | trackbacks(7)

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2011.03.22 Tuesday 11:02
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コメント

こんにちは。
僕は原作を読んでいるのですが、そういえば原作でも”良化隊の顔”は出てきませんね。それをやるとメッセージがぶれるということかもしれませんが、不公平と言われればそうかもしれません。

戦争して殺しあう限り、どっちが正しいのかなんて絶対評価には意味が無いのかもしれませんが、図書隊に理があるとすれば、”防衛に徹している”ことでしょうか。図書館の敷地内でしか戦闘できないので。そのことが”一方向からしか描かない”免罪符になっている気はします。
| メルクマール | 2008/04/29 1:45 PM |
メルクマールさん。コメントありがとうございます。

たぶん、同じ筋でも原作で読むとまた、印象が違ってくるのかもしれませんね。主人公たちが戦う理由に関しては、TVシリーズでは説明や描写に省略が多くなってしまうのは、尺の問題や手法の違いから致し方のないところでしょうし。

あくまで僕の個人的な意見であり、また、それじゃエンターテイメントにならないわけですけど、いっそのこと、“表現の自由”なんて大義名分のためじゃなく、
「よくも仲間を殺したな! てめえら皆殺しにしてやる!!」
のほうが、僕としてはしっくりきたかなあ…。
図書隊も良化隊も殺すのが仕事なんですから、そこに道徳的な善悪の判断基準を持ち込むのも、どうなんだろうかという気はしなくもないです。ぶっちゃけ前線の兵士にしたら、殺さなきゃ殺されるわけですし、自分のやってることが正しいか正しくないかなんて、考えてる余裕はないでしょうしね。

原作を読んでいないのでうかつなことはいえないのですが、扱っているテーマがテーマだけに政治的な配慮を行った結果、原作者が本当に言及したいところまで言及できなかった、ってのはありそうですね。
| memento | 2008/04/30 8:36 PM |
>>政治的な配慮を行った結果、原作者が本当に言及したいところまで言及できなかった、ってのはありそうですね。

ああ、それはあるかもしれませんね。アニメだと、良化隊の制服がナチスっぽかったりしますが、あれは敢えてマンガチックに非現実的にしたかったのかな、と思ったりします。
原作では、PTA(みたいな団体)が良化寄りだったりという、生々しい話もあるのですが、アニメでは無理でしょう…
| メルクマール | 2008/05/01 12:16 AM |
>メルクマールさん。

まあ、表現の自由をテーマにした作品が表現を自粛してしまうってのは、見方によっては情けない話ではあるんですが。

ただ、そういう仕事の現場では、あれこれと制限が加えられてしまうのは、これは表現者にとっての現実で、上の記事に書いたエロ漫画家さんとか、その漫画家さんの友人の元レディコミ漫画家さん(都条例批判をご自分のサイトでやったら、掲載誌に圧力をかけられたそうです。現在では他ジャンルの漫画を描いたり、小説を書いたりして活躍されています)なんかも、常に一定の制限下での表現を行う、プロとしてのお仕事をされています。
やはり個人的な意見になるんですが、こうした人たちから生活の手段を奪うのは、はっきりいって人殺しと変わらないのではないかな、と思えます。
| memento | 2008/05/01 9:24 PM |

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